こんにちは。たかとです。
今回は糖尿病の合併症の中でも徐々に進んでいく三大合併症について学んでいきます。
糖尿病には高血糖による急性の合併症と、高血糖が長年持続することでの慢性的な合併症があります。
慢性的な合併症のなかで特に不可逆的に進行していく(治らないで悪化していくだけ)の合併症で、生活の質を極めて下げてしまうものを三大合併症といいます。
- 糖尿病網膜症
- 糖尿病腎症
- 糖尿病神経障害
の三つです。
これらは糖尿病発症から数年~十年単位で発病・悪化していきます。
まずは病気を知り意識を高めていきましょう。
糖尿病網膜症
前回の記事でもあったように、糖尿病では血管が障害され動脈硬化がおき、血圧が上昇します(高血圧)。
高血圧状態+高血糖による血管障害が眼球内で起きることで
- 網膜での出血
- 血管が詰まり、こぶができる(血管瘤)
- 血流を保つために血管が新しくできる(血管新生)
- 出血の残りの脂肪がたまる(硬性・軟性白斑)
- 硝子体での出血が起こる
と徐々に進行し、視力障害や視野障害を経て失明に至ります。
人間は情報の大半を視覚から得ています。視力がなくなるということは、大変生きにくい状態になります。しかも進行していく病気のため、悪化していくのは高齢者になってから・・・
とても大変ですね。
ここでできることは血圧と血糖のコントロールを行っていき、眼科に定期受診をし、悪化しないように、悪化時はすぐに対応することです。
網膜症は眼内の黄斑と呼ばれる部位に病変がかかるまでは自覚症状は出にくいため、早期発見が難しいです。糖尿病が発覚したら定期受診を続けていきましょう。
糖尿病腎症
腎臓は体内の不純物をこしとって(ろ過して)、血液をキレイにしています。腎臓には1000ml/分の血液が流れ込んでいて、小さな血管(毛細血管)で血液ろ過をおこなっています。
糖尿病+高血圧による血管障害にて、腎臓の毛細血管が障害されると、腎臓でのろ過できる量が徐々に減っていきます。またろ過している網目の部分(ネフロンといいます)が壊れることで糖分やたんぱく質が流れだします。なので初期症状としては
- 微量のタンパク尿
があげられます。
徐々に進行していくことで体内の水分が出せなくなり、不純物が体内にたまり、腎臓のろ過機能以外の能力も低下していきます。
- タンパク尿
- むくみ
- 貧血(腎臓の機能の一つが弱まると出る)
- だるさ(体に毒素がたまっておきる)
などの症状が出現し腎臓の機能が一定以上悪化してしまうと、最終的には透析療法を行わなければならなくなります。
透析療法は血液透析と腹膜透析に分かれます。腹膜透析は一日にお腹の中に治療液をいれ、何回か入れ替えたり夜間に機械で入れ替えをおこなう療法。血液透析は週に三回病院で4時間機械にて血液のろ過を行います。
こちらも高齢者になってからはつらいですね。(若年層でもつらい・・・)
さらに治療では血圧・血糖のコントロールに加え、エネルギー・タンパク質・塩分の制限、カリウムの制限、血中のビタミンやリンなどの栄養素を整えるために多くの内服が必要になります。。
かなり大変な状態であり、食事などの楽しみの減少につながってしまいます。予防行動が大切になるため、早期からの適切な血糖コントロール・血圧コントロールが大切です!
糖尿病神経障害
高血糖状態が続くと神経の代謝が障害され神経自体が徐々に障害されていきます。また血管が障害された影響で手や足の血流が悪くなり神経の障害が起こります。
神経障害も二種類に分類され感覚障害と自律神経障害です。
感覚障害では
- しびれ
- 感覚鈍麻(感じにくくなる。痛みや熱感、触ってる感じなど)
が起こり、動きにくさにつながります。一番怖いのは、「痛みを感じにくい」ので傷ができていても気が付かないことが出てくることです。
糖尿病の人は血管障害によって血流が悪く、傷を治す力が弱まり、白血球の動きが悪く細菌に立ち向かう力が弱まっている状態です。傷口からの感染がどんどん悪化してきてしまいます。そして神経障害が出ている人は
- 動くの大変でお風呂に入らなくなる
- 足が冷たく靴下を常時履いている
- 体が硬くなってきており、足全体を見ることがむずかしい。
という状態となっていることがおおく、感染した傷が悪化して傷口が潰瘍(深い傷)壊疽(傷周囲が腐ってしまった状態)になってしまい、最悪手足の切断をしないといけない状態になります・・
自律神経障害では、主に起きたときや立ち上がった時に血圧をコントロールすることが難しくなり、起立性低血圧(立ち眩み)が強くでるようになります。
また、胃腸の動きも自律神経によるものなので、強度の便秘や強い下痢などコントロールが難しくなります。
生活していくのが大変になる合併症ばかりですね。ここでは、血糖値だけでなく体をキレイに保つことや自分の体を観察することが大切だといえます。
三大合併症はいかがだったでしょうか。一言で言えば「大変」ですが、それだけでは言い表せないものですね。
よく「もう10年も生きないから別にいいよ!」という人をみますが、現在の社会ではどうでしょうか。80歳でも寿命が来ない状態です。生きることが大変な老後はとてもつらいです。若いうち、今の内から生活の改善をしていくことが未来の生活の質を向上させることにつながっていくとおもいます。
「今日が人生で一番若い日です」 By リベ大 両学長
今回はこれまで
皆さん一緒に大切な体を守っていきましょう!