肝臓がんの看護計画について【治療編!】

こんにちは。たかとです。

今回は肝細胞癌・HCCについてです。肝臓についてはこちら

肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれ、発見が遅れることも多く、

消化器からの転移も多いため腫瘍性肝疾患が多々見られます。

肝臓自体の障害が起こっているため、症状だけでなく全身を見ていく必要があります。

また転移性腫瘍の場合は治療が異なるため注意が必要です。

肝細胞癌とは?

肝細胞癌とは肝細胞自体が癌化したものです。

大半がC型・B型慢性肝炎が原因となり、NASHも増えてきています。

癌自体の症状は初期には出にくく、進行してくることで

肝内の胆管が圧迫され黄疸が出たり、肝機能低下による肝不全症状が出ます

癌が肝臓の外側に突き出てくると痛みが強くなったり、破裂し致死的になったりします。

肝臓は肝臓自体の細胞以外にも肝管や血管などもあり

肝臓付近・肝臓内でも胆管がんなどの違う疾患があったりします。

門脈に浸潤しそこから肝内に転移して多発腫瘍になることもあります。

肝細胞癌の治療

治療は手術による切除・局所療法(経皮的・血管療法)・化学療法に分かれます。

肝内にある腫瘍の数、大きさ・部位・肝臓の残存機能・肝障害度を加味して決めていきます。

肝残存機能はICG検査、肝臓の障害度は「腹水・血清ビリルビン・血清アルブミン・PT活性」

にて算出します。

局所療法

  • RFA(ラジオ波焼灼療法)
  • PEIT(経皮的エタノール注入療法)
  • TACE(肝動脈塞栓化学療法)
  • TAE・TAI(肝動脈化学療法・肝動脈塞栓療法)

に分かれます。

RFA・PEIT

RFA・PEITは外から肝臓に刺して治療を行います。

やることはラジオ波で焼くかアルコールで破壊するかです。

(高濃度アルコールは細胞を破壊します。細菌を破壊するのと同じようなものです)

ラジオ波は外側にある腫瘍では周りの組織も焼いてしまう可能性があるためできなかったり、

大きな血管付近では行えません。

呼吸を止めて治療をします。結構痛みますので説明が大切です

〇肝臓は血流が豊富なため、術後の安静があります。6時間安静などあるため

安静についての説明を行うことが必要です!(各病院での確認が必要)

TACE・TAE・TAI(腹部アンギオ)

TACE・TAEなどは主に大腿動脈から穿刺し、肝臓動脈までカテーテルを進め

肝細胞癌周囲に抗がん剤を流し、そこの血管に蓋をして血流遮断を行います。

肝細胞は門脈:肝動脈で約6:4で栄養しているため、肝動脈を塞栓しても大丈夫です。

肝細胞癌はほぼ肝動脈から栄養しているため、塞栓することで治療効果が得られます。

〇動脈穿刺をしているので安静が必要です。RFAなどの穿刺にくらべて

安静指示が短い場合もありますが、尿瓶での排尿を説明しておく必要があります。

〇術後数日から一週間ほどは肝臓の炎症にて発熱があります。

解熱剤の使用と、感染を起こしていかの確認をしていきましょう!

全身療法

化学療法について

肝臓がんに対する化学療法は

  • 動脈ポートからの動中化学療法
  • 静脈注射による化学療法
  • 内服の化学療法

に分かれます。

特に動中化学療法はTAEをずっとやっているような感じです。

鼠径部にCVポートのようなポートを作り、動脈からカテーテルの先を腫瘍付近までいれ

持続的に化学療法を行います。

〇汚染されやすいためポート部の感染兆候や、固定状態の確認などが必要です。

〇全身療法なので易感染などにも注意

〇内服では患者さんのコンプライアンスが重要!

転移性肝がんとは?

肝臓は門脈により、消化管からの血行性転移が起こりやすいです。

治療は原発腫瘍のレジメン(化学療法の計画書)に沿って行われます。

〇原発精査のためCT・内視鏡など多種の検査があります

〇確定診断までの不安、検査不安がかさなります。

〇腫瘍による閉塞性黄疸や肝機能低下からの肝不全の経過をたどります。

看護計画について

肝臓機能については肝硬変の看護計画②を参照してください。

肝硬変の問題にプラスして

  • 感染予防行動→セルフケア
  • 確実な内服コントロール
  • 状態変化時の受診行動がとれるか

などが追加されると思います。

入院時からの内服練習や、自宅での内服方法の確認

外来化学療法の時は、外来との調整

も調整としては必要だとおもいます。

〈TP〉
  • 治療後の痛みの有無、発熱の有無(肝臓へのダメージでは炎症が強いので必発)
  • 黄疸の進行の有無(急激な肝臓の障害の確認)
  • 治療に伴う嘔気の確認
  • 尿比重の確認(血管治療では造影剤を使用するため腎機機能確認のため)
  • 穿刺部の出血、紫斑の確認
  • 貧血症状の確認(RFA・PEITでは血管損傷にて大量出血リスクがある)
〈OP〉
  • 検査前後の内服管理方法の変更(熱などでは自己管理が難しい)
  • 痛み止め、解熱剤の早期の使用
  • 穿刺部の観察・消毒(消毒は各病院による)
  • 必要時症状排泄の練習、膀胱留置カテーテルの挿入

〈EP〉

  • 安静の説明(治療後の長期安静はいきなりだどつらい)
  • 検査説明

という感じになります。

肝硬変と合わせ、繰り返しの入院になるので自宅でのセルフケアの評価

をおこなうことも大切です!

今回は以上!

看護師は体も使い、パソコンに向き合い・・・

疲れが多いと思います。いい環境・いい枕での睡眠はいかがでしょうか?



疲労をとるのは睡眠がいい感じです。短時間睡眠でもしっかり休めれば

【少し頑張ろう】とおもえますね!

ではまた~

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